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明日はもっと素晴らしい

(整腸剤はおやつです)

愛しき想い来世まで

「推しが卒業する前に、ユニットが解散する前に、もっと会いに行けば良かった」というのは、推しごとを生きがいにしている私たちにとってたまに訪れる後悔ではあるけれど、そこに「推しがこの世からいなくなる前に」という選択肢を用意している人は、いないと思う。

18歳。若すぎる。

公式サイトやLINEやブログ、テレビの報道でさんざん見たけれど信じられなかった。私は彼女を特別推していたとか、彼女に特別注目していたとか、いわゆる「熱心なファン」とはおよそ遠いところにいる人間だけれども、彼女が所属しているグループの活躍をテレビで見るのが楽しみでした。Mステ初登場のときの衝撃たるや、今でも元気がないときなどにたまに録画を再生して元気をもらえるほどでした。

コンサートも3回くらいしか行ったことないし(内2回は対バン形式のフェスだし)、握手会やチェキ会も行ったことないけど、それでも「彼女が突然この世からいなくなりました」という報せにはとてもとても大きなショックを受けました。日常生活に支障をきたす…とまでは行かないけれど、お風呂入ってるときとか、家で1人でいるときとか、急にドバーッと涙が止まらなくなることがありました。彼女との思い出なんてそんなにないのに。ただただ、無念で、親御さんやメンバーや関係者や、ご本人のことを考えたら無念で涙が止まりませんでした。

そんなときに、2/25に彼女のお別れ会が行われるというので、ちょうど何の予定も無かった私は、彼女にきちんと、きちんと…何を言おうか全然まとまらないけど、とにかく彼女はもういないことを理解して、前に進むためにパシフィコ横浜に向かいました。

本当に頭の中が真っ白だったので、お花を用意するのを忘れていて(気持ちが大事なので必須ではないと理解しつつも)、慌てて会場の近くのお花屋さんに買いに行ったんだけど、どこも長蛇の列。母の日なんて目じゃないくらい。花屋の行列に並んでいるときに、事情を知らぬ通りすがりの奥様から、何でこんなに花屋が混んでいるのか尋ねられました。今日、パシフィコで、先日亡くなられたアイドルの、まで話したら察してくれました。花屋の店員さんが順番に、どんな花をお求めか聞いてくれます。献花の、と伝えて店員さんのセンスにお任せする方もいれば、この花とこの花を、と自分で選ぶ方もいます。彼女をイメージしたお花、彼女が好きだと言っていたお花、みんな彼女のことを想いながらお花を包んでもらっている。ただねえ、人気者すぎて、彼女の担当カラーである「青」とか、青っぽいお花、もう店頭に全然ないの。14時ぐらいの話です。私は、前に並んでいるお兄さんが「献花で」と伝えてお花を適当に包んでもらっているのを見て、私も「前の方と同じで」とお願いして、小さな花束を作っていただきました。赤っぽい紫色のガーベラ一輪と、薄いピンク色のお花の、可愛らしい組み合わせでした。3つのお花を1本ずつ包んでもらったり、男の人が両手で抱えるくらいの大きさの青いお花の大きな花束を持っている人も見かけました。今日来れなかった友だちの分なのかな。

お花を持って並び始めたのが14:45頃。きれいな青空でした。海側に並ぶから寒さを覚悟していたけれど、本当にたくさんの人が並んでいたのであんまり寒くはありませんでした。彼女のお父さんよりも年上であろうおじさんもいれば、部活帰りの女子高生もいました。列がやっと会場内まで進むと、今まで彼女が歌ってきた歌を流してくれていました。後ろに並んでいた若いお姉さんが、「これ毎朝聴きながら登校してた」とか言っていました。一緒に並んだ友だちと彼女にまつわる思い出話をする人も周りに何人かいたけれど、いざ、自分たちの列がこれからホール内に、彼女のもとに案内されますとアナウンスされると、話すのをやめ、顔を上げて、お花を抱え直します。

色んなイベントで通い慣れたはずのパシフィコ横浜がまったく初めての会場に見えます。1階席の扉をくぐると、ステージ上にたくさんの参列者の方と、その向こうに大きな大きな彼女の写真。私もその写真は大好きでした。彼女の頭上には白いアーチが掛かっていて、ヘアアクセサリーのように青いお花がワンポイントで飾られていました。足元には青いお花がたくさんありました。彼女の前には、みんなが彼女のことを想いながら用意してきたお花が山のようにありました。献花しようとしたら、係員の方に一度ストップされて、そのお花を丁寧に集めて両脇のテーブルに移動させていました。通常の握手会などの接触イベントだと、はがしの人に「お時間でーす」と声をかけられて流されるんだけど、今日は誰も声をかけません。彼女に会える最後のイベントだから、どんなに長く手を合わせて話しかけていても、はがされません。最後だから。本当にもう世界中のどこにも彼女はいないことを理解して、生きている自分は前に進まねばならないことを自覚するためのイベント、儀式だから。

彼女の写真に向かって一番左端の列に案内され、可愛く包んでもらったお花を彼女に向けて置いて、手を合わせます。正直「今までありがとう」と言葉をかけることに抵抗がありました。あまりにも突然のお別れ、「無念」以外の何ものでもないのに、まだやりたいことがたくさんあったはずなのに、「今までありがとう」の一言で突き放していいものなのか、彼女それで納得できるのかなど、葛藤がありました。だから「怖かったよね、悔しかったよね」と話しかけて、「メンバーのことを守ってあげてください」とひたすらお願いしてきました。たくさんお願いした上で、「今までありがとう、安らかにお眠りください」をようやく伝えられました。ちょっと休んだら、メンバーのことを守ってあげるお仕事に励んでください。

唇と歯をガタガタ震わせて涙を流しながらお祈りしていたので、気が動転して帰り道を間違えて「(出口)逆です、あっちです」と係員さんに誘導されてしまったのですが、その際に一瞬だけ振り返って見たパシフィコ横浜・大ホールのステージ上から見た景色は忘れられそうにありません。よく「後ろの席まで見えてるよー!」って言うけど、この会場なら嘘じゃないわ。

ホール内に案内されてステージ下で待機しているときにこの曲が流れていました。テレビで観た、豪雨の中での圧巻のパフォーマンスを思い出しました。